歯と口の健康週間 ~小集団指導実習から学べたこと~
「歯を見せて 笑える今を 未来にも」というスローガンのもと、今年も歯と口の健康週間(6月4日~6月10日)が実施されました。本校は2年生が臨地実習として、歯や口に関する正しい知識やブラッシング方法、義歯の取扱いや口腔体操などを指導するために、小集団(2~8人のグループ)となり学外へ赴きます。赴く先は、保育所・幼稚園・小学校・特別支援学校・高齢者施設、また各郡市区歯科医師会(川西市・明石市・西区)で開催されるイベントです。
これは、歯科衛生士の3大業務の1つの「歯科保健指導」を学ぶ大切な実習です。内容は①人形劇やペープサート、劇などで口腔衛生の大切さを伝える②顎模型を使用したブラッシング指導または高齢者施設では義歯洗浄や口腔のケアを行うという2部構成となっています。学生たちは、この日のための準備を1年次の1月から始め、“原稿作成”“媒体作成”の後、各グループで劇の練習、指導用顎模型を用いてブラッシング指導を繰り返し練習します。高齢者の義歯洗浄や口腔のケアは、学生が実践できるよう学内で相互でしっかり実習を行います。そうして、いよいよ学外で実習です。開始直後は緊張で声は小さく、恥ずかしさで顔は強張り、見ている引率教員も緊張の連続です。しかし、学生自身による日々の反省や実習先の先生・施設の担当者のアドバイス、そして何より多くの子供たちや利用者の皆さまの笑顔や頷き「ありがとう」の言葉で多くの喜びややり甲斐を感じ、成長しながら素晴らしい実習をさせていただきました。
各イベントでは、立地の良い駅前商業施設などでオーラルフレイルチェック、ブラッシング指導、トレー法によるフッ化物塗布のアシスタント、口腔衛生に関する普及啓発活動などさまざまな実習をさせていただきました。学生たちの一生懸命な表情や笑顔は、道行く人たちの足を止め、興味関心を持っての参加へつながり、その姿は少し大きく頼もしく見えました。
この小集団指導実習で学べたこと、それは「協調性=チームワークの大切さ」「コミュニケーション力=伝えたいことを言葉にすること」「責任= 指導者としてあらゆる場面を想定し、対応できるようにすることはプロフェッショナルとして当然であり準備を怠らないこと」です。今後学生たちは、自ら長所を伸ばし、短所を磨き、自信を持って「歯科保健指導」ができる歯科衛生士を目指し、知識や技術の幅を広げていきます。私たち教員は、そんな学生たちに寄り添いサポートしていきたいと思います。
(教務主任 肥塚 美奈子)