第54回学院学会を開催して
9月5日(日)に第54回学院学会を開催しました。今年も3密を避けるため各学年、教室やホールに分かれてサテライトで実施しました。今年は演題1「私の働き方」梶原歯科医院(姫路市)の36回生入小沙耶歯科衛生士、演題2「口腔機能訓練に関わる歯科衛生士の役割」木下歯科医院(垂水区)の35回生山下茉莉歯科衛生士、特別講演は社会福祉協議会による障がいサポーター養成講座「こんな時、あなたはどうする?」と特別非営利活動法人(NPO法人)神戸ろうあ協会手話派遣センターの小川智子講師・森岡壽佳子講師よる「聴覚障がい者に対する心構え」を講演いただきました。
演題1では①矯正治療前の歯周治療②重度歯周炎から回復した症例③う蝕と歯周病が混在した症例の3症例を口腔内写真や検査結果を踏まえ、無麻酔下SRPの重要性やカリエスリスクを軽減させるためのアプローチ方法について具体的にご教示いただきました。また力を入れておられるう蝕予防のイエテボリ法やPMTC・エアフローの取り扱い方法についてもご説明いただきました。産休・育休を経てまた正社員として働かれている入小歯科衛生士の凛とした女性としての姿をみて、学生がとても興味深く聴講しているのが印象的でした。
演題2では①反対咬合②上下叢生③過蓋咬合の3症例を用いて口腔筋機能療法についてご指導いただいだきました。また実際に咬筋を触りながら上下歯列接触癖の負荷がどれほど強いのかを体感し、スポットの把握・ティップアンドスティック・ミッドアンドスティック・ファットタング・スキニータング・ポッピングなどさまざまなトレーニング内容を具体的にご紹介いただきました。木下歯科医院のスローガンであるS(笑顔:smile)H(思いやり:hospitality)I(知性:intelligence)P(情熱:passion)が溢れた講演内容でした。
特別講演では、まずDVDでそれぞれの障がいの特性と配慮すべき内容を具体的に把握しました。そして講話で聴覚障がいのかたに対しての対応方法をご教示いただき、実際に臨床現場で来院された時を想定した手話も教えていただきました。感染対策としてマスク着用が当たり前になった現在では、口の動きを読み取れないために今まで以上に配慮すべき点があると理解できました。
今年の学院学会は口腔機能訓練や手話など実践的なものが多く、学生が楽しみながら聴講している様子が見受けられました。コロナ禍でも学習の場を失うことのないように、これからも努めていきたいと思います。
(専任教員 山下由佳)