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歯と口の健康週間 ~小集団指導実習を通して~

高齢者施設で集団指導を行う学生たち

高齢者施設で集団指導を行う学生たち

 本学院では6月2日から21日までの3週間、2年生(49回生)が歯と口の健康週間に合わせて小集団指導実習を行います。尼崎、伊丹、神戸、明石、三木、姫路地域の保育所・幼稚園・小学校・特別支援学校・高齢者施設、川西市のイベント、明石市のイベント、東灘区のイベントに赴き人形やペープサート(紙人形劇)などを媒体とし、口腔への理解を深めブラッシングの大切さを伝える実習になっています。
 小集団指導に向けて学生は、1年次から原稿や媒体を班に分かれて作成し、何度も台詞の確認や劇の練習をして準備を進めてきました。幼稚園班は、人形劇で歯の大切さを伝えていきます。歯ブラシの交換時期やおやつを食べる時間について、クイズを出題することで楽しみながら学んでいきます。1年生、3年生、5年生班は、学年それぞれに人気のあるキャラクターのペープサートを使い、ニューブランの輪やう蝕、歯周病について年齢に応じた説明を行い、クイズを交えながらブラッシングの大切さを伝えていきます。高齢者班は誰もがなじみのある「おむすびころりん」を題材に劇を行い、義歯の取り扱いについての説明や誤嚥性肺炎予防のための口腔体操を歌にのせて伝えます。
 実習へ出る前の他学年に向けての発表会では、緊張のため思うように台詞が言えず悔しい思いをしている学生もたくさんいましたが、本番に向けて今まで頑張ってきた成果を発揮できるよう、反省点を次に繋げようと努力を行ってきました。
 実習初日は、初めて訪れた場所での準備に戸惑い、緊張している様子もみられましたが、子供たちや高齢者のかたがたが楽しみに待っている姿を見ることで、学生自身の表情もほぐれ徐々に活き活きとした姿に変わっていきました。劇終了後は、子供たちからの質問や感想が殺到し「教えてもらった歯磨きの方法で今日から頑張る」といった前向きな言葉を掛けてもらえることに、喜びを感じている様子でした。今回の実習で学生は伝えることの難しさ、そして思いが伝わった時の喜びを感じていたことと思います。
 小集団指導後は反省会を行い、教員や実習先のご担当者からアドバイスをいただくことで次回に向けての対策を考えます。どのような表現、伝え方をすれば相手が理解しやすいのかを考え、反省と改善をその都度行うことで、実習の内容は日に日に良いものとなり、また班員の結束力も強いものとなっていきました。
 学院へ帰って来てからの反省会では、ライフステージごとの指導がうまくいかず、勉強不足を痛感し、まだまだ課題が残ると話していた学生もいました。しかし、今回経験させていただいたことや学んだことを3年次の本実習や卒業後臨床の現場で活かしていきたいと話している姿を見て、彼女たちの成長を強く感じることができました。
 今回も学生たちを温かく見守り、ご指導いただきました保育所・幼稚園・小学校・特別支援学校・高齢者施設ご担当者、歯科医師会の先生がたや歯科衛生士のかたがたに感謝し、また一歩歯科衛生士に近づいた彼女たちが今回の貴重な体験を忘れず今後更に成長できるよう、これからも教員一同全力で指導していきたいと思っています。
(専任教員 足立愛子)