歯と口の健康週間行事に向けて ~集団指導のまなび~
毎年6月の歯と口の健康週間行事に2年生が臨地実習として参加させていただくにあたり、2月から約4カ月かけて準備をしています。グループに分かれ、幼稚園・小学校・高齢者施設・郡市区歯科医師会イベントなどさまざまな場所に行かせていただきます。
まず地域歯科保健活動の講義を通し、地域歯科保健事業における歯科衛生士の役割や集団に対する指導方法を学びます。その後、幼稚園班・小学生班・高齢者班のグループに分かれ、口腔衛生の大切さを伝えるために劇のキャラクター設定や原稿作成、人形など媒体作製を進めていきます。今年は、ミニオンズ、おさるのジョージ、セサミストリート、しまじろうなど、ユーモアあふれるキャラクターを選んでいます。子どもたちや高齢者に楽しみながら口腔衛生を学んでいただけるよう、心をこめてひとつひとつ丁寧に媒体を作製しています。また、準備を進めていくにあたり、仲間との協調性が育まれます。グループでひとつのものを作り上げるために、意見がぶつかることもありますが、お互いの意見を受け入れることで新たな良いアイデアが生まれています。同時進行で、顎模型・指導用歯ブラシを使用したブラッシング指導を繰り返し練習しています。また、高齢者施設での集団指導は、寸劇を行った後に口腔ケアと義歯洗浄を行います。学生は初めて入所者の口腔内をケアするため、学内で口腔ケアと義歯の着脱、義歯清掃の実習を行っています。覚えることや技術習得がたくさんありますが、6月の歯と口の健康週間行事を成功させたいという強い思いで臨んでいる姿が印象的です。
毎年、歯と口の健康週間を終え、たくさんの「ありがとう」をいただき、「楽しかった!」と笑顔で学院に戻ってきます。集団に対する健康教育のポイントは、行動変容につながる動機づけを確実に行うことだと思います。個別指導とは違う集団指導で伝える難しさを実感すると同時に、伝えることの大切さや喜びをしっかりと学んで欲しいと思っています。
(教務副主任 永島由紀子)