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公衆衛生活動 ~子ども食堂「さくらcafé」における取組み~

栄養素クイズ

栄養素クイズ

 COVID-19 が5類に移行して半年が経過し、さまざまなことが緩和されるようになりました。現在53回生(2年生)は、公衆衛生活動として、郡市区主催のイベントやさまざまな施設で口腔衛生指導実習をさせていただいています。
 本年度からは、特定非営利活動法人仁愛グローバルの湯川先生ご指導のもと、山手さくら苑で行われているさくらcafé でも実習をさせていただいています。子ども食堂は、地域住民が主体となり安価で栄養のある食事やあたたかな団欒の場を確保することで、子どもたちの共食の機会やコミュニティの場を提供するものです。
 実習にあたり、子ども食堂という場を考え、口腔衛生指導だけでなく食育指導についても実習をすることとしました。1回目の実習では、食事前にその日のメニューの食材に含まれている栄養素を赤・黄・緑の3つのグループに分ける歌やクイズを行い、バランス良く食べることについて話をしました。子どもたちは、学生の歌に手拍子をしたりクイズや声かけに対して答えたりと積極的に参加をしてくれたため、初めは緊張でこわばっていた学生も笑顔で行うことができました。
 その後、食事を終えた子どもへ歯ブラシを渡し個別指導を行いました。混合歯列期のため歯式を確認するのに時間がかかり、未就学児から中学生までの子どもへの対応に戸惑っている学生もいましたが、徐々に慣れてコミュニケーションを図ることができました。普段は元気な子どもたちも椅子に座り、学生の指導内容に耳を傾け一生懸命ブラッシングをしている姿が見られました。また、ブラッシング終了後は、湯川先生と教員がフッ化物塗布を行い、キシリトール100%のお菓子をプレゼントとして渡しました。2回目は、「一口30回噛む」ということを栄養素クイズに加えたり、10月にはハロウィンに関連付けたレクリエーションを行ったりと、毎回、内容に少しずつアレンジを加え、口腔の健康について楽しく伝えることを心掛けました。学生の感想は「限られた時間の中で自分が考えていた指導が十分にできなかったが、経過をみていきたいので機会があれば積極的に参加したい」「年齢が違う子どもたちを一度に指導するのは難しかったが、子どもへの対応方法やほめる指導でモチベーションを向上させることを理解できた」「子ども食堂について初めて知ることができ、口腔衛生指導だけでなく食育指導を行うことができ、貴重な経験をさせていただいた」など、子どもに対する指導方法や地域における歯科保健活動について学ぶことができたと思われます。
 本年度、初めての取り組みでしたが、湯川先生をはじめ、山手さくら苑の皆さま、神戸諏訪山ふれあいのまちづくり協議会の皆さまのご指導とご協力、そしてこのような貴重な機会を与えていただいたことに感謝申し上げます。今後も、このような活動を通して知識や経験を積み、幅広い指導ができる歯科衛生士を育成すると共に、地域における子どもたちのう蝕予防の普及に取り組んでいきたいと考えています。
(専任教員 難波恵子)