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プレ臨床実習を終えて

 国家試験、卒業証書授与式も無事に終わり、新年度が始まり新入生を迎えました。
 私の担当している新2年生は、本年度65人でプレ臨床実習へ4月11日(火)から4月24日(月)までの10日間、34医療機関に行かせていただきました。
 本校のプレ臨床実習では以下の3つの項目を実習目標としています。
・医療人としての人間性や倫理観、コミュニケーション能力を習得するために、臨床における歯科衛生士の役割を理解し、実習生としての基本的な態度を身につける
・学内で習得した知識を歯科臨床の場と結びつけ、理解し考察する
・ライフステージ毎に患者を捉え、歯科衛生士の行う医療接遇を観察し、コミュニケーション能力を養う。また、安全且つ効率的な対応を考察する
 1年生では座学が多く臨床科目は保存修復学のみの習得です。2年生になったばかりの学生は歯科でアルバイトや助手の経験もない者が多く、初めての臨床実習のため、どのように見学し、考察して実習帳に記入すればよいかもわかりません。そこで、戸惑うことのないようにプレ臨床実習の前にしっかり時間をかけてオリエンテーションを行っていきます。オリエンテーションで学生は基本的な治療の流れとそれに必要な器具についての予習をし、実習帳を記入するにあたって注意事項の説明を受け、見学、記入したことからどのように考察すればよいかなど、さまざまな事前学習を行いました。また、実技面では1年
生の終わりにバキューム、印象練和、セメント練和、シックル・キュレットスケーリングの実技試験を合格するまで根気よく練習しました。
 プレ臨床実習終了後の報告会では「知識不足、積極性不足など自分ができなかったことに対する今後の課題が多く見つかり本実習までにもっと勉強しなければならないと思った」「実際の治療の様子や勤務されている歯科衛生士さんの姿を初めて拝見することで、パステクニックやスムーズな診療、患者配慮など、座学で学んできた知識を臨床と繋げることができた」などの報告が多くあがり、実習先での経験を共有することで、学生自身の反省や気づきに繋がっていきます。
 2年生になると習得する科目や学内実習も多くなります。それに加えて国家試験対策も入り、学生にとってはとても忙しい時期になりますが、この時期にプレ臨床実習を経験することで、この1年間のモチベーションが大きく変わって成長していきます。
 実習生を受け入れてくださいました全ての歯科医院の皆様にはお忙しい日々の業務の中、学生指導をしてくださったことに深く感謝申し上げます。1年後、3年次に臨床実習本実習で再びお世話になります際には成長したことを感じていただけるように、教員として学生個々に応じたサポートをしていきたいと思います。
(専任教員 篠原 理恵)