歯と口の健康週間 ~小集団指導での学び~
歯と口の健康週間(6月4日~10日)の期間に合わせて本校でも長年、2年次に臨地実習として、保育所・幼稚園・小学校・特別支援学校・高齢者施設、郡市区歯科医師会(川西・伊丹・東灘・明石・姫路)イベントで小集団指導やフッ化物塗布の実習をさせていただいていましたが、昨年はコロナ感染拡大防止のため中止となり、11月に数か所だけ実習に伺い、小集団指導をさせていただきました。今年は、保育所・幼稚園・小学校はほぼ例年通りの実習日程で実施させていただく準備をしていたのですが、4月末に緊急事態宣言が発令され、キャンセルが相次ぎました。実際に臨地実習として伺う日数は少なくなってしまいましたが、キャンセルとなった実習先に伺う予定だった学生は学校に登校し、同学年や下級生、教員、役員の先生がたの前で披露し、演習という形で評価をいただくようにしました。
指導内容は、まず人形劇やペープサート、劇などで口腔衛生の大切さを伝え、顎模型を使用したブラッシング指導または高齢者施設では口腔体操を行うという流れとなっています。今年の媒体は幼稚園がドラえもん、アンパンマン、小学校1年生はポケットモンスターと鬼滅の刃、小学校3年生がドラえもんとちびまる子ちゃん、小学校5年生が鬼滅の刃、高齢者は桃太郎となり、見て下さるかたがたができるだけ興味を持ってもらえるように原稿作成、媒体作製に取り組んできました。
今年2月から準備を始め、原稿作成や媒体作製の後、各グループで劇や、指導用顎模型を使用したブラッシング指導を繰り返し練習します。また、高齢者の口腔体操をよりスムーズに実施できるようにしっかり演習を行います。そうしていよいよ実習を迎えた初日。緊張で声は震え、表情も硬く、とにかく原稿を暗記したとおりに進めるのに精いっぱいといった様子でしたが、日数を重ねるごとにいただいたアドバイスを参考に、改善策を話し合い、より良い指導を考え、前向きに努力し、対象者の反応を見て指導を行う余裕ができてきました。学生の指導を熱心に聞いてくださった園児や児童、高齢者のかたがたの笑顔にたくさんパワーをいただき、実習をさせていただくことができました。
学内では経験できない貴重な実習の機会を得、たくさんのことを学んだ臨地実習でした。これを糧に歯科衛生士になるための知識、技術、社会性、人間性をますます磨いていってほしいと思っています。
(教員主任 小村照代)