3年次臨床実習本実習に向けて ~2年生の学びで得たもの~
本校の2年生は、学外での実習が多く、1年間を通して座学だけでなくさまざまなことを学ぶ機会があります。本年度の2年生の学びについて一部ではありますが、紹介させていただきます。
まず、4月にプレ臨床実習として開業医院で、見学実習をさせていただきました。初めて臨床の現場に立ち、歯科衛生士の無駄のない動きと臨機応変な対応を見学し、患者さんと触れ合わせていただく機会を持つことにより、今まで漠然としていた歯科衛生士へのあこがれを、より身近に感じることができました。
6月には「歯と口の健康週間」で保育所・幼稚園・小学校・特別支援学校・高齢者施設に赴き、人形やペープサートなどを媒体とし小集団指導を行いました。班に分かれ原稿や媒体を作り、何度も練習を重ね本番に臨みました。初めて訪れた場所での集団指導は、緊張で思うように言葉が出ない様子も見られましたが、その都度、反省会を行い改善を積み重ねることにより、完成度は高まり、伝える技術やチームワークの大切さを学ぶことができました。
10月から11月にかけては、公衆衛生活動として歯科医師会のいい歯の日イベントに参加させていただき、地域のかたと交流させていただきました。幅広い年齢層のかたに対して、どのような語りかけをすれば興味を持ってもらえるのか、またプロの歯科衛生士の動きを近くで見学させていただき、今後に繋がる良い経験になりました。
11月の研修旅行では、1泊2日で東京の株式会社GC で2日間研修を行いました。1日目は館内を見学し、最新のデンタルチェアーや歯科材料に触れることができました。見学後は、嚥下食を試食させていただき、嚥下機能の低下がみられるかたでも、食べることの喜びを感じられるように工夫された、見た目も可愛いデザートを美味しくいただくことができました。2日目はセメント・印象材の取り扱いについて講義を受け、練和実習を行いました。学内で学んだものではありましたが、練和のポイントを詳しく伝えてくださることにより、歯科材料の取り扱いについて改めて確認することができました。2日間の研修で、材料に対する知識を深めただけでなく、団体行動を通して時間を守ることの重要性・仲間との協調性を学ぶ良い経験になりました。
学内では、3年次の臨床実習に向けて、より専門性の高い分野の座学を学び、臨床に近い状態を想定した相互実習を行いました。
3月には、口腔保健センター1日、矯正専門医院2日の3日間見学実習をさせていただき、センター・矯正での歯科衛生士の役割を学んでいきます。
2年次の学外実習では、たくさんのかたと触れ合うことにより多くのことを学び得ることができました。この1年間で学んだことを3年次の臨床実習本実習で活かし、卒業後もこの貴重な経験を胸に、力強く羽ばたいてくれることを強く願っています。
(専任教員 足立愛子)