2012.06.02
5月13日(日)午後2時から兵庫県医師会館2階大会議室で「兵庫県民の医療と福祉を守る会」が兵庫県医師会、兵庫県歯科医師会、兵庫県薬剤師会、兵庫県看護協会の共催で開催された。同会会長の川島龍一兵医会長は「東日本大震災による福島原発事故以来、放射能汚染に関する県民の関心は高まっている。本日は、小出裕章京都大学原子炉実験所助教に『原子力利用の功罪』、郷地秀夫東神戸診療所長に『福島原発事故における内部被ばく』と題した講演をお願いしている。事前質問も38題あり、放射能汚染についてしっかりとした知識をもちかえっていただきたい」とあいさつした。
会場には400人を超える聴衆が集まり熱心にメモをとるなど講演に聴きいり、県民の放射能汚染問題への関心の高さがうかがわれた。
小出助教は「現在放射線を分解する技術はなく、たとえ今回のような事故がなくても原子力発電を続ける限り放射性廃棄物が増加する」と原子力発電そのものの継続に警鐘を鳴らし、郷地所長は「放射能に曝露されて安全という線量はない。また、低線量を長期間浴びることの影響は分かっていない」と述べた。
最後に川島会長を座長に講師と鼎談が行われた。「福井の原発から神戸までは100キロの距離があるが、注意すべき大きな問題として琵琶湖の汚染がある。医療にも生活にも水は欠かせない。そのような点からも兵庫県民にとって福井の原発再稼働問題は他人事ではない。また、今後食材の被ばくの問題に注意が必要である。現実には50歳以上の人間には影響は少ないが、特に子供の食と放射能の問題には注意が必要である」と放射能の影響についてさまざまな提言が行われた。
続いて、今夏の電力需給問題や、食品の安全性についての質疑が行われた後、「兵庫県民の医療と福祉を守る会」副会長の豊川輝久兵歯会長の閉会の言葉でフォーラムは終了した。
川島会長を座長に行われた鼎談
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