デジタル技術を応用した矯正診断と治療の優位性

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11:45〜12:45

3ds_03医療法人社団矯晶会
杉山矯正歯科
杉山 晶二

「デジタル技術を応用した矯正診断と治療の優位性について」
Superiority of orthodontic diagnosis and
treatment by using digital technology

2014年現在、医科歯科医療分野へのデジタル技術の臨床応用は日進月歩にすすんでいる。歯科矯正治療の分野では、1997年アメリカで患者の口腔内模型スキャンデータから、樹脂製のアライナー装着により不正咬合を改善する可撤式デジタル矯正治療システム、Invisalignが考案され現在までに世界で300万人以上の患者が治療を受けている。さらに2004年にはドイツのDr. Wiechmannらにより、CAD/CAM技術を応用した患者個別の歯冠形態に適合するカスタムブラケット、カスタムワイヤーの開発がなされ、初めてデジタル技術を応用した舌側矯正マルチブラケット装置 Incognito Systemとして発表実用化された。2014年現在、世界で10万人以上の患者がこのシステムで治療されており、演者は、2008年よりこのシステムを使用して230名以上の患者の治療を行い良好な結果を得ている。今回、この治療システムの優位性とバイオメカニクス特性について、以下の項目を中心に将来のデジタル矯正治療の発展方向も含めて述べてみたい。

  1. 歯列模型は、光学スキャナーによりデジタル化され、デジタルセットアップモデルが作成される。その後技工所より矯正医にインターネット経由でデータが送信され、確認後矯正装置の作成がなされる。
  2. ブラケットは、デジタルデータからCAD/CAM で精密に作製され、ワイヤーはベンディングロボットにより各患者の歯列にあわせて屈曲される。
  3. ブラケットは、3Dプリンタにより作成されたインダイレクトボンディングトレーに装着され矯正医のもとに送られる。
  4. 将来の展望としては、デジタル光学印象→デジタルセットアップの作成(CT 画像情報の追加)→Computer によるBracket Design → 3D プリンター(Rapid prototype machine)によるBracket ワックスパターンの築造→鋳造→Digital Transfer Trayによるダイレクトボンディング、という一連の行程を、矯正医とラボがWeb 上の治療ポータルサイトで相互に伝達して一括管理するFull Digital Work flow が計画されており、一部の国ですでに臨床実用が始まっている。

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